海外超初心者の中年ライダーが、海外エキスパートの後輩とともにバイクツーリング!凸凹コンビの行き当たりばったり旅日記。第一弾・トライアンフでオーストラリア東海岸!の次は、第二弾・ハーレーでアメリカ西海岸!
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Wind of Queensland

海外超初心者の中年ライダーが、海外エキスパートの後輩とともにバイクツーリング!凸凹コンビの行き当たりばったり旅日記。第一弾・トライアンフでオーストラリア東海岸!の次は、第二弾・ハーレーでアメリカ西海岸!
No  32

原生林の彼方に・・・

パシフィックハイウェイ旧道

ついにシドニーまで100km地点

事故渋滞を抜けてからの旧道ハイウェイは、片側一車線となり、アップダウンのある丘陵地帯をほとんど一直線に走っている。青空の面積も少なく、陽も傾いてきている。シドニーまで100kmのサインを見つけて記念撮影。
何度かのアップダウンの後、数10km先まで見渡せる標高の高い場所に来たとき、地平線までず〜っと続く緑の原生林のはるか彼方に、陽の光を受けた摩天楼が林立するところが見えた!
「もしかして、あそこがシドニー?・・・うわぁ、ついに来た〜!」
たまらずヘルメットの中で、思いっきり叫んでしまった!

その後、標高が下がったのか、シドニーの街らしき高層ビル群が見えなくなってしまい、右側にパシフィックハイウェイの新しい道(本線)が現われ合流した。このあたりも両側は手つかずの原生林が広がっている。片側三車線で流れも速く、さらにペースアップするが、しばらくすると前方に雨雲が広がっていて暗くなってきた。ここは早めに雨支度。再スタート後すぐにパラパラと降り出したが、強くならないうちに止んだ。

ゴスフォード(Gosford)あたりからのパシフィックハイウェイは、数十メートルの高さの切り立った褐色の砂岩が両側まで迫る、異様な光景が何度も見られた。登坂車線まで含めると往復6〜7車線分の幅の岩盤をブチ抜いて作られているのが凄い。巨大なビルのような岩盤地層が何層にも斜めになって見える。

何度かクルマをパスしていく途中、偶然にもN君の前を走ることになった。彼に譲るように速度を落とすが、N君は私の前へ出ずに後ろをついてくる。どうやら、しばらく前をどうぞ・・・ってことみたいだ。そう言えばオーストラリアへ来てからは、先頭を走ったことが無かったからねぇ。では、お言葉(?)に甘えまして・・・。

しばらく私のペースで前を走らせてもらったが、調子よく走っていたら、途中にあった(らしい)「WELCOME TO SYDNEY!」の看板を見過ごしてしまったらしく、「写真に撮りたかったのに〜」と後でN君が残念がっていた。ごめんごめん、全然気づかなかったよ。

「左・シドニー」・・・の緑の標識が見えてきた頃、N君が先頭へ復帰し、ハイウェイを下りて一般道へ。クルマの数も増えてきた。どんどん街の中心へ進んでいることは確かなようだ。渋滞にはまりながら、分岐合流を何度か繰り返していたが、すごい車線数(往復10車線?)の道に出たなぁ、と思っているうちに突如前方に現われたのは・・・。

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No  31

大渋滞の先頭で・・・

給油をしてニューキャッスルを後にする。ハイウェイに戻りかけた途端、前方に雨雲を発見。N君は迷わずUターン!シドニーまでは沿岸寄りの国道を進むことにする。この国道、パシフィックハイウェイの旧道らしい。


一般国道でも、そんなにアベレージスピードは変わらないので、時間的な影響は少ないだろう・・・と思っていると前方に渋滞の車列が。後方から路肩を走るバイクも来ないので、しぱらくクルマの後ろについていたが進む気配もない。対向車線も全然クルマが走って来ない。「こりゃ事故やな」取り締まりに注意しながら、左の路肩をすり抜けて行く。渋滞の先頭らしき丘を上っていくと、やはり事故があったようだ。パトカーが停まって警官が制止している。そう言えば警官を見たのは、こっちへ来て初めてくらいじゃないか?
事故現場

と思っていると突然、丘の向こう側、道路の中央分離帯付近からヘリコプターが飛び立った。さっきから何かうるさいなぁと思っていたのは、ヘリのローター音だったのだ。負傷者を運んでいくのかアッという間に飛んで行ってしまった。一般道の通行を遮断してヘリを着陸させるなんて見たこともなかったので、不謹慎とは思いつつも報道カメラマンに変身。数枚撮ったところで警官の誘導が始まり、クルマが動き始めた。
ヘリが飛び立って行った・・・

一瞬、94年のイモラでセナがヘリで運ばれていったことを思い出してしまったが、我々も気を付けないと同じようなことが起こるかも知れないのだ。最後まで気を引き締めて行こう。目指すはハーバーブリッジ!ゴールはもう少しだ!
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No  30

トライアンフには長く乗れ・・・

沖に伸びる砂州の上に灯台が見える

パンフレットでは燃えるような夕焼けをバックに静かに佇んでいたが、目の前の灯台は、真っ青な空をバックに沖に向かって伸びた砂州の上に建っていた。
暑いが風は涼しい

バイロン・ベイとは違い、施設には入れず眺めるだけのようだ。バイクを駐車場に置いて歩き出した二人だが、N君は上半身裸となって写真を撮るためにカメラを持って先端まで歩いて行ってしまった。こちらは皮パンと皮ブーツでのぼせ上がってしまっていて、そんな元気はなくブーツを脱いで灯台下のベンチからニューキャッスルの街並みを眺めながら休憩だ。時折、左腕に巻いた包帯を見ながら観光客が通り過ぎていく。
灯台側から見たニューキャッスルの街並み

目を閉じて波の音を聞いていると、旅の終わりが近づいてくることに寂しさを感じ始めながらも、満足感に浸れた。初めての海外、それもオーストラリアまで思い切って来てホントに良かったなぁと。

明日にはバイクを返却しないといけない。久しぶりのバイクツーリングも、今日シドニーに着いたら一応フィニッシュだ。もう少しこの町でゆっくりしたいが、もう4時を回ろうとしている。日が暮れるまでには着きたいので、最終章の仕上げにかかる。
ニューキャッスル駅前時計台

駅前の時計台で記念撮影後、ホテル前の交差点で信号待ちをしていると、ホテルのオープンテラスで飲んでいたおじさんから声を掛けられる。後でN君に何て言ってたのか尋ねると「おお、そこの。トライアンフはハーレーなんかよりもずっとイイバイクだから、長く乗ってろ」ってなことを言ってたらしい。・・・う〜ん、明日返しちゃうんですけど・・・。
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No  29

ニューキャッスル

ニューキャッスルの町にて

結局、昼メシを抜いたまま走り続け、ニューキャッスルの街へ入った。インフォメーションセンターの前にバイクを停める。オーストラリアのたいていの町には、青色地に黄色の筆記体で「i」マークの旗があり、インフォメーションセンターの場所を示しているが、道案内から宿の世話など様々な情報提供をしていて、改めて旅行者に対して優しい国だなぁと感じる。

うだるような暑さに、たまらずジャケットを脱いで、Tシャツ一枚になって涼を取る。周りを見渡すと結構古い建物が多い。近くで街の時計台の鐘が3回響いた。
ここまで来れば、シドニーまで140kmほどだから、飛ばせば2時間足らずで着く勘定だ。明るいうちに着けそうだと分かると気分がラクになってきた。

ここでN君から次のミッションが出た。「あそこのインフォメーションで、この街の地図を貰ってきてもらえますか。それと私達が今いる場所も教えてもらってきてください。」だんだん難しくなってきたぞ。「OK!」とは言ったものの、N君に隠れて指差し会話帳を探すが、バッグの奥みたいだ。まぁ何とかなるかな?

中に入ると冷房が効いていて涼しい。ツーリスト向けのインフォメーションなので、こちらが聞こうと思っていることは予想出来るみたいで、すぐに地図は出してくれたし、今どこにいるかも印をつけてくれた。おまけに街のガイドブックも付けてくれたので、大きな顔をしてN先生に地図を見せたら「Good Job!」とお褒めの言葉をいただいた。
インフォメーションセンター

もらった地図とガイドブックを見ると、ニューキャッスルは鉄道の終着駅で、港町であることや、海に突き出た砂洲の上にモンサンミッシェル修道院のような灯台があることも分かったので、少しこの町を見て回ることにした。
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No  28

トライアンフ人気の謎

真夏の青空が再び・・・

タリー(Taree)の手前くらいからは青空が広がり、また真夏の暑さに戻った。
給油のためGSに入る。今回のツーリングでは、概ね200km走行ごとに給油している。出発前の情報では、数百キロもGSのない区間があると聞いていたので早め早めに入れているが、パシフィックハイウェイを走っている限り、GSは頻繁に見かけた。

後ろに大きな木材を積んだトラックが順番を待っているので、バイクをスタンドの端に移動させ、昨日預かった50ドルの残りから、二台分のガソリン代を私が払いに行った。もうドキドキしないで支払いとレシートの受け取りくらいは出来るようになった。ちなみに私も、Give me・・・からCan I have・・・へと進化もしている。
GSで給油している木材トラック

このGSでも他の客から「おおトライアンフだ」と声をかけられる。N君がBMWと二台でシドニーまでツーリングしていることを伝えているが、BMWには見向きもしていない。聞けばシドニー警察の公式白バイがトライアンフだそうだ。それだけが理由ではないだろうが、どうもオーストラリアでのトライアンフに対する人気は思った以上のものがあるみたいだ。

次の大きな町「ニューキャッスル(Newcastle)」まで120km以上あるので、天気が良い間に距離を稼ごうと、GSを後にして先を急ぐ。そういえば昼メシがまだということに気づいたが、ここまでペース良く走れているので、ニューキャッスルまで行ってから考えることにしよう。
ニューキャッスルまであと少し。シドニーまで162km
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No  27

グッドボーイ

朝食後、パシフィックハイウェイは、のどかなカントリーロードとなって続いている。グルッと見渡しても、人工のモノがホントに何もない景色だ。
ケンプシー(Kempsey)、ポートマキュアリー(PortMacquarie)と比較的大きな町を順調に通過。かなり先まで見渡せるので、大きな雨雲が前方に見えたら、停まってやり過ごしながらクルーズしている。

途中のショッピングセンターの駐車場へ入って休憩と地図の確認。N君に「トイレはどこにあるのかなぁ?」と聞いてみたところ、彼はニヤリと笑い「知りませんねぇ。誰かに聞いてみてください。」とツレない返事・・・あぁ実地レッスンね?と納得。こちらも笑って「オーケー!いっちょ聞いてみるかな」と自ら尻をたたいてバイクを離れる。
う〜んトイレってToilet?Lavatory?WC?どう言えばいいんだっけ?まぁ通じなければ、小便小僧のマネでもすればわかってくれるだろうと腹をくくってショッピングセンターへ入って行く。

テラスの椅子に腰をかけていたお年寄りから声をかけられた。駐車場に入ってくる時から我々を見ていたらしく、単語と雰囲気だけで判断するオレ流訳でいくと・・・「アンタが乗ってきたのはトライアンフじゃねぇか、オレも昔乗ってたんだ。いいバイクだよなぁ。今日はどこまで行くんだい?」てなことを言ってるみたいだ。

こちらも得意気に「オレ達はブリスベンから来て、今日はシドニーまで走るんだ。あのトライアンフは、イイ音を聞かせてくれるナイスバイクだぜ」と単語と手振りで伝えると、「おお〜」とビックリしていた。肝心のトイレの場所も聞けたので礼を言うと「グッドボーイ」と言われた。えっ?イイ子?ガキだと思われてたの?

トイレから戻って、N先生に会話のやりとりを伝えると「それは多分グッバイでしょー」・・・ナルホド。
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No  26

雨のち炎天下のち雨



コフスハーバーを出てからは、パシフィックハイウェイも道幅が狭く、片側1車線の田舎道となった。何本もの川を渡ったが、その多くは大きな船が通れるように可動橋になっていた。

前方の雲行きが怪しいのでN君が路肩へ停車。カッパを着込んで再スタートすると、数分もしないうちにザザーッと本降り。しばらく進むとカラッとした青空でカッパを脱ぐ。これを何度か繰り返す。本降りと真夏の太陽が交互に襲ってくるが、N君の見事な判断で濡れることなく距離を稼いでいる。

10時をまわった頃、途中の小さな街で朝食を摂るために休憩。コンビニと言うよりは「よろず屋さん」に近いお店を見つけ、N君がマッシュルームとアンチョビのピザ、私はまたしてもハムチーズのホットサンドを頼んだ。
川岸からの眺めbyN君

出来上がるまでN君は近くの川岸へ写真を撮りに行き、私は店内にある書籍を見て回る。店の隣にピクニックテーブルが置いてあり、出来たてのアツアツをフーフー言いながら、こちらへ来てからの定番「レッドブル」で流し込む。
ヘタレの私が毎日こうして元気に走っていられるのも、このレッドブルのおかげかも知れない。タウリン恐るべし・・・
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No  25

N君から見たOZツーリング

お知らせです。
今回のオーストラリアツーリングで私を引率してくれたN君が、自身のホームページ内で、レポートを開始しました。↓
http://www.fides.dti.ne.jp/~kgo/

彼独特の感性と、現地での会話内容など、私も知り得なかったことが、今になって初めて分かったこともあり、興味深い内容です。是非遊びに行ってみてください。

でも、コチラの表現力の乏しさを改めて感じてしまいますネ・・・
私のブログだけでは分からなかったことも、今後のN君のレポートで理解いただけると思いますよ。
これからも、N君のレポート共々よろしくお願いします。

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No  23

BMWからTRIUMPHヘ・・・

走り出すと、軽く上げたヘルメットのシールド越しに入ってくる朝の涼しい風が気持ち良い。
進行方向に青空はない。今日もN君のレインセンサーに期待して後を付いて行くことにする。多分濡れなくて済むんじゃないかな?
雲の合間から太陽が

ところで、レンタルするバイクを日本で選ぶ時に、私は2台ともBMW R1150Rで良いと思っていた。他にもハーレースーパーグライド1450やスズキGSF1200Sもあったが、ドイツのアウトバーンなど長距離を走る上での安定性や信頼性は、BMWの右に出るバイクはないと思い、N君がトライアンフを候補に挙げた時には、正直言って信頼性の点で心配だなぁと思っていた。というのも古いトライアンフに乗っているバイククラブのメンバーが、ツーリングの時には必ずどこか故障して、修理しながら走る姿を何度も見ていたからだ。

しかし、バイク屋の店長が、今のトラは昔のトラと違って大丈夫、と太鼓判を押してくれたのと、二台のライディングポジションが違う方が、乗り換えた時に気分も変わって良いのではという理由で、トライアンフに決めたいきさつがある。

このトライアンフ・スピードマスターには、特注のマフラーに換装されていて、高いギアのままアクセルをひねると、ヘリコプターのパタパタという羽音さながらのような歯切れの良いノートを響かせるし、アクセルを戻すとパランパンパンッとアフターファイアーの音も聞こえる。アクセルのON/OFFで、メリハリのあるサウンドを楽しみながら走れて気分が乗ってくるなぁ。

静かで早くて完成されたBMWにはない、「ちょいワル」的な楽しみ方が出来る、このトライアンフの奥深さが段々と気に入り出して、BMWに対する気持ちが昨日から微妙に変化しているのが自分でも分かる・・・いや単純に、コケたことによる心移りだけなのかも?

実は、バイク屋の書類記入に手違いがあり、レンタルの契約書類が、私が乗りたくて希望したBMW R1150Rではなく、トライアンフに乗る契約になってしまっていた時から、結局はBMWとの相性が悪かったのかもしれない。でも、ここまで「ビーエム」にこだわる理由があるんだな、コレが・・・。
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No  22

初の完全武装で出撃

目が覚めてバンドが切れた腕時計を見ると5時・・・時差2時間だから7時か。
相変わらず時計の針は日本時間のままにしてある。
部屋の外に出て、朝の涼しい空気を吸うために部屋を出てみた。空を見上げると、ところどころ青空が見えているが、全体的に曇り空で天気は良くなさそうだ。
事務所をのぞくと昨日の支配人はいなかったが、事務所の女性と顔が合ったので「Good morning!」と挨拶を交わす。ヒジの包帯を指さして大丈夫?みたいなことを言っているようなので、「Thank you・・」と応え、指で○を作って「OK!」と言うと笑っていた。

テレビの天気予報では、今日通る予定の町の名前の後には、すべて雨マークが付いている。しかし気温は昨日から下がって、26℃〜28℃とこれまでと比べると涼しそうだ。ヒジの包帯には血がにじんできているが痛みは薄れている。

モーテルにお世話をかけたので、心ばかりのチップを置いて出発することにする。
暗くなっても良いので、今日中に何とかシドニーに着きたい。
ハイペースな雨中ランにも安心して飛ばせるよう、昨日まで履いていたジーンズの代わりに、これまでバッグの底にしまっていた、要所にパッドが付いた夏用のパンチングレザーパンツに履き替え、長袖Tシャツの代わりに、肩・肘・脊椎にガードが入ったライディングジャケットを、こっちへ来て初めて着ることにした。怪しい雲行きにレインスーツも着込むと、じんわり汗が出てくるが、昨日の件もあり、完全武装で気合いを入れ直す。

普段の夏のツーリングでも、転倒した時のことを考えて、いつも私はこのフル装備で走っているのだが、半袖Tシャツ一枚で出かけようとしてケガしたのは「気を抜くな」という天の声として、あえて、いつも通りのライディングスタイルになることにした。
バイクに乗るときには、クルマに乗るときと違って、あえて気合を入れる儀式が必要だ。私の場合、それがフル装備のライディングスーツで固めるということになる。

アウトバーンスタイルのウェアになったが、今日のパートナーはブリティッシュトラディショナルなトライアンフだ。BMWの前傾ポジションより、リアシートに置いた荷物に背中をもたれかけられるトラのほうが、アップハンドルでヒジにも負担がかからず楽チンだ。BMWと違いアイドリングからクラッチをつなぐだけでもスルスルと走り出す。低い重心ですぐに足がベッタリ着く安心感。う〜ん、こっちの方が乗りやすいなぁ・・・と好き勝手なことを思いながら、昨日コケたモーテル出口のイヤな思い出のスロープを後にしてハイウェイに入る。
転倒したモーテル出口

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No  21

アクシデント!

昨日は何度も出かけて、他の宿泊客にうるさいと文句を言われた、ワイルドなトライアンフにはお休み願って、今夜はジェントルなBMWで出かけることで二人の意見が一致した。

このモーテルの駐車場から出口に向かっては、ゆるやかな上りスロープになっているのと、前面の道路は左手から右手へ少し下る感じの傾斜になっている。パニアケースを外すと、結構スリムになるBMWのリアシートに、N君を乗せて出発だ。
右手へ下りる感じでスタートしようとしたが、やはり信号のある交差点から国道へ進入しようと、急遽、進路を左へと取り直しながらクラッチをミートした。

ここで、一つ目の計算違い。
これまでもBMWの低回転トルクの細さは頭に入っていたはずなのに、タンデムでの重量増と上り坂方面へスイッチしたにも関わらず、普通に低い回転のままクラッチをつないでしまった。
デリケートなBMWのフラットツインは、私の思い描く推進力を発揮してくれないまま、ストール気味にアイドリング以下の回転域へ落ちていく。
エンストしないようにとクラッチを切った瞬間、左へ進路を取ろうと若干車体を傾けていたために、スーッとバンクし始める。

ここでさらに、二つ目の計算違い。
傾き始めたBMWを、左足でを支えようとするが、普段なら「オッと」ぐらいで済むところが、乾燥重量で愛車ZRX1200よりも30kg以上重い上に、満タンの燃料とリアシートに乗っているN君の体重を合わせると、350kg近くなっているワケで、私の細い腕と足では到底持ちこたえられなかった。
あわれにも、BMWと私は路上で仲良くネンネしてしまった。

虚しくエンジンが吹き上がっているのを、シートから飛び降りたN君がキルスイッチでエンジンを止めてくれた。N君と二人で車体を起こして損傷がないか見るが、ほとんど0km/h状態で横にゴロンしただけなので、クラッチレバーのハウジングがミラーごとズレたのと、ハンドルバーエンドに傷がついたくらいで済んだ。水平対向エンジンの張り出したシリンダーにもガードでブロックされて大丈夫だった。腕時計のバンドが切れて転がっていたのをN君が見つけてくれて、まずは安心・・・と思った瞬間、左腕のヒジが痛む。半袖だったので、粗目のアスファルト路面に受け身をした際、擦りむいたようだ。血が流れ出している傷口が、ちょうど見えない裏側なのと暗いのでよく分からない。

このままでは出かけられないので一旦戻り、N君がモーテルの支配人に事情を話して手当するものはないか聞いてくれている。出てきた支配人が私のヒジを覗き込んで、顔をしかめながら、何やら「・・△×□・・Hospital・・○△☆?」と病院に行け、みたいなことを言いながら手で縫うしぐさをしている。エッそんなになってるの?

モーテルの事務所には、バンドエイドの大きなやつと、包帯くらいしかなかったので、とにかく傷口を洗って消毒しようと、砂などを洗い流し、消毒液がなかったので、手洗い用のハンディソープをふりかけてから、日本から持ってきていたオロナイン軟膏を塗って、N君が包帯をグルグル巻いてくれて応急措置完了。

結局、N君が「ケガさせてしまって・・・今夜は飲みに行くのはやめときましょう」と外出を断念し部屋に戻った。シドニーにはN君の友人で、明日から2日間ステイさせてもらうことになっている看護師のY君がいるので、ちゃんとした手当をしてくれるようN君が連絡を取ってくれた。

N君がすまなさそうに気遣ってくれているが、コケた原因は、長年のライディング技術に傲りと過信があった私のミスで、すまないのはコチラのほうだ。昨日に続いて、またもや飲みに行けなくなってしまってゴメン。

ヒジの痛みより、この無様なコケように、この道30年のベテランライダーのプライドが音を立てて崩れ去ってしまったことの痛みのほうが大きく、ひとり寂しくビールを買い込んで部屋で飲んでいるN君の背中を見ながら、ベッドに入って早々と寝てしまった。

第四日目(2/22)の走行距離・・・340km


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No  20

オージー中華

GSを出て国道(このあたりはハイウェイではなく信号もある国道1号線となっている)沿いに並ぶ何軒かの中から、気に入ったモーテルを探す。
5〜6軒の中からN君が料金と内容を見て2軒に絞り、選択権を私にくれたので、そのうちのひとつに決めた。

部屋の前にバイクを停めて荷物を降ろす。部屋に入りシャワーを浴びてから食事のために出かける。昨日と違い、モーテルから徒歩圏内に店があるので、サンダルに履き替えて出かける。
歩いて5分くらいのところに中華料理の店があった。値段を見ると少々高そうだったが、飯粒に飢えかけていた我々は、すぐにこの店に決めた。

二人の意見が一致し、迷わず炒飯と焼きそばを注文。N君はビールを買いに店を出て行った。こっちではアルコールって店に置いていないんだね。
一人になった私に、店の女の子が寄ってきて・・・何か話しかけてきた・・・ん?チョップスティック?人差し指と中指でチョキチョキしてるぞ。あぁ・・・「お箸」は要るかってことね?・・・イエース、イエース。モチ要りますよ〜。
近くの退役軍人専用のクラブで交渉して、特別に売って貰ったビールを持って店に戻ったN君と、さぁ乾杯だ。私はお気に入りのジンジャービアだけど。

すぐに料理が運ばれてきた。炒飯は焼豚のほかにチキンも入っていた。ご飯は4日ぶりだったので非常にウマかった。焼きそばは想像していたのと少し違い、ほんの少しのフライメンの上に、チンゲンサイとセロリの野菜あんかけが載った、ほとんど野菜炒めに近いもの。そういえば野菜もあんまり摂っていなかったなぁと頑張って食べる。
こちらでは中華料理は全部食べきれないと、テイクアウト用の容器に入れて持ち帰るのが習慣らしく、食べ終わった客が容器に詰めてもらうのを待つために店の入り口で待っている。

食べ終わった後、N君が置いたチップを私が忘れ物と間違えて持ち帰ろうとして笑われた以外は、今日はネタになるようなトピックスもなく平穏無事な一日だったなぁと店を出て、次に飲める店を探して街を二人でぶらつく。
「シャムロックカフェ」と書かれたアイリッシュパブもあったが、オーストラリアでアイリッシュも、何だかなぁ〜ってことでパス。

しばらく歩くが近くに気に入った店がないので、昨日みたいにタンデムで街を探してみようということになり、一旦モーテルに戻り改めて出かけることにした。・・・そして。
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